お客様から要望を頂くことがあります。
ただ…、
別々のお客様から5回も関連する内容について情報を頂いたのは初めての事、
しかもそれが全て遠投カゴ釣りでコマセを詰める作業時の事。
以下はほぼ原文のままで…。
A様、
「○○社製品に道糸を掛けておいたら道糸に傷がつくんですよ。」
傷があるかもしれない金属にナイロンラインをこすりつけるなんてマズイです。
B様、
「リールのハンドルノブに道糸を掛けておいたらハンドルノブの根元に道糸が入り込んで、
その後投げたら高切れしてからまん棒から下だけが飛んで行っちゃったんです。」
ハンドルノブの根元付近は金属製でエッジが立っている場合が多いですから…、もしクリアランス調整していなかったら軸とベアリングの間に入り込んで潰れることだってありますし…、そんなのやめましょうよ。C様、
「△△社製品に道糸を掛けておくのですがカゴと竿を持って持ち上げようとすると引っかかってイライラするんですよ。」
慣れれば大丈夫だと思うのですが…、私自身が使っていない他社製品の事についてけなしたりはしない主義ですので回答は控えます。
でも…そもそも…その製品って糸を掛けるために作られていないような…。
D様、
「☆☆社製品の竿受けのネジのところに道糸を引掛けておいたら切れてしまったのですが、
タニサンクラフトの竿受けは大丈夫ですか。」
ダメです!
絶対ダメです!
ナイロン・フロロ・PE、全部ダメです!
どこの製品であれ釣り糸をネジに引掛けるなんてダメです!
コーティングされていない金属ラインですらグレーゾーンです!
竿受けに掛けるなら糸よりも柔らかいところにしてください。
E様、
「△△社製品を使っている人が多いのですけどあれってウキやカゴを掛ける物として売っているわけではないんですよ、糸を掛けるようにもできていないんですよね、作ったら売れるんじゃないんですか?しかもクランクパイプの傾斜したところにも付けられると良いです。」
あれ?またこの意見だ、作ってみようかな。
サラッと難しい宿題を頂きました、クランクパイプの曲げ部分を通過できるものでないといけない、それに加えて直立したパイプに対して下方向に掛かった力に耐えるのは良いのですが、パイプに対して回転方向の力に耐えるのは難しいんです。
試作1号(あまりにもひどかった…)
クランクパイプの曲げ部分を通過しなければならないのでエサバッカンホルダー的な形状に棒を溶接して作ってみましたがあえなく失敗、
クランプの部分にクーラーボックス用ピトンホルダー標準並みの強度が必要だったとは…、
糸を掛けたときのトルクにすら耐えられませんでした。
試作2号
試作品なので素人溶接(アーク)の汚さは無視していただくとして…、クランクパイプ曲げ部分の通過は問題無し、もしかしたらロットにより無理な物もあるかも知れませんが。
クランプノブで締め付けて…、無理、クランプ力不足でした、仕方ないので高くなってしまいますがポイントクランプノブ標準に変更。

糸掛けとしては使えましたがウキやカゴを掛けておくために作った部分左下のフックは太すぎて通せないウキがありました、直径2㎜以下にすると運んでいるだけで変形してしまうので製品として成立しないためボツ、糸を掛ける右側の部分の長さが気にいらないし、お客様Cのおっしゃっていた現象も再現されてしまった、でも基本路線は決定。
試作3~7号(だったかな?)
試作2号の改造や長さを調整した新作諸々でなんとか寸法決定、ウキやカゴを掛ける部分は定番のストリンガーフックに変更、フック部形状も工夫、しかもちょっとした発見もして。
意味なくボートに持ち込んで使ってみたり。
量産型試作
やっと納得のいくものになりました。

プロの溶接(TIG)はやはりきれいですね、工業系男子としてはたまらないものがあります。
シリコンチューブはライト竿受けでも使用している極厚の物を使用、先端には芯金の入っていないシリコンチューブを長めに残してあるのがミソ、曲げ角度を緩く設定した上、糸が引っかかってもチューブが変形して外れるのです。
ポイントクランプノブを標準採用しているので、

効きそうですね。
こんな感じで販売したのがこの2種類
お客様(E様)とお話しさせて頂いてから約3か月、かなりのペースで試作しましたが最近なぜか難産な商品が多いような…。
本業の合間、休みの日にほとんど趣味で商品作りをしているタニサンクラフト、ありがたい事にリピーターのお客様が増えてきて覚悟と責任をもって商品を世に送り出す意識が更に増してしまい、自ら商品作りを難しくしてしまっているような気がします。